チケットを切るの意味 エンジニアから学ぶタスク管理・仕事術

「やらなきゃいけないことはあるのに、何から手をつけていいか分からない」「今日何をしていたか思い出せない」。そんな経験はありませんか?
このような悩みに対して、エンジニアの現場で長年使われてきた効果的な仕事術があります。それが「チケットを切る」という方法です。
エンジニアではない方にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、ブロガーやフリーランス、個人事業主など、誰でもすぐに取り入れられるタスク管理術として注目されています。本記事では、「チケットを切る」とは何か、その活用方法、そして非エンジニアにとってのメリットについて詳しく解説していきます。
チケットとは何か?エンジニアの現場での意味
「チケット」とは、プロジェクト管理ツールなどで用いられる作業単位のことを指します。ソフトウェア開発の現場では、エンジニアが開発する機能や修正作業を「1枚のチケット」にまとめ、進捗管理やレビュー、優先順位の設定などを行います。
例えば、あるエンジニアがWebサイトの「お問い合わせフォームを修正する」というタスクを担当するとき、以下のような情報を含むチケットが作成されます。
項目 | 内容の例 |
---|---|
タイトル | お問い合わせフォームに送信完了メッセージを表示する |
説明 | 現在のフォームでは送信後に何も表示されないため、ユーザーが不安になる。送信後に「お問い合わせありがとうございます」と表示するよう改修する。 |
担当者 | ○○さん(エンジニア) |
ステータス | 未着手、進行中、レビュー待ち、完了など |
期限 | 2025年4月10日 |
このように、1つのチケットに1つのタスクが記録され、誰が・何を・いつまでに・どのように行うのかが明確になります。
なぜエンジニアはチケットを使うのか
エンジニアがチケットを使うのは、チーム内での連携をスムーズにし、複数のタスクを同時並行で効率よく進めるためです。複雑で長期的な開発を行う現場では、口頭やメモだけでは管理が追いつかず、情報が埋もれてしまうこともあります。
そこで、タスクごとにチケットを作成し、進捗を「見える化」することで、以下のようなメリットが生まれます。
誰がどの作業を担当しているか明確になる
タスクの抜け漏れや重複を防げる
完了した作業を記録として残せる
優先順位や期限を共有できる
これらの管理方法は、エンジニアだけでなく、すべての仕事に通じる本質的な「仕事の進め方」でもあります。
ブロガーやフリーランスにも活かせる「チケット思考」
ブログ運営や個人の仕事においても、「やることが曖昧なままでは、着手できずに時間だけが過ぎていく」という問題に直面しがちです。そのとき、「チケットを切る」という習慣を取り入れることで、仕事の質とスピードが大きく向上します。
たとえば、ブログを1本書くといっても、実際には以下のような作業が含まれています。
チケットタイトル | 内容の説明 |
---|---|
キーワード選定 | SEOで狙うキーワードをリサーチする |
構成案の作成 | タイトル、見出し、全体の流れを設計する |
本文執筆 | 実際の文章を書く |
アイキャッチ作成 | 画像をCanvaで作成 |
WordPress入稿 | 記事を投稿画面に入れる |
公開&SNSシェア | TwitterやXに投稿、タグ付けを行う |
これらをすべて「記事を書く」という1つの曖昧なタスクにまとめてしまうと、途中で何をしているのか分からなくなったり、やるべき工程を抜かしてしまったりします。しかし、1つずつチケットとして切り出しておけば、段取りが明確になり、進捗も管理しやすくなります。
チケットを作成するときに書くべきこと
チケットを効果的に活用するためには、単に「タイトル」だけでなく、次のような情報を含めることが大切です。特に、消化できる単位で書くことが重要です。もし何日もかけるようなものの場合には、分割してチケットを切った方が良いでしょう。また、エンジニアの場合には、関連するチケットを合わせて確認できるようにしておき、影響度合いや効率をみて優先度や影響範囲を確認していく必要があります。
項目 | 書き方のヒント |
---|---|
タイトル | 作業内容がひと目で分かるように短く具体的に |
説明 | なぜこの作業を行うのか、完了条件は何か |
ステータス | 未着手、作業中、完了など現在の状況 |
期限 | できれば締切日を明記することで優先順位をつけやすく |
作業ログ | 終わったら「完了日時」「所要時間」「気づいたこと」などをメモすると改善に役立つ |
このように丁寧にチケットを作っていくことで、「やったつもり」ではなく「やったこと」が明確になり、自己管理力が自然と高まっていきます。
まとめ チケットを切ることは、自分の仕事を見える化すること
「チケットを切る」という行為は、単なる作業メモではなく、自分の頭の中を外に出して可視化する行為です。それによって、自分の進み具合、抱えているタスクの量、優先順位が自然と整理されていきます。
エンジニアのようにチームで開発していなくても、個人で活動している人ほど「自分だけのプロジェクト管理」が重要になります。そして、チケットを切るというシンプルな習慣が、仕事の質とスピードを引き上げてくれるのです。
今日から、あなたも「チケット1枚」から始めてみませんか?
モヤモヤした作業が、1枚ずつすっきりと見えるようになるはずです。