アドセンスの「オファーウォール広告」とは?表示例、設定方法、収益性を解説!

アドセンスの「オファーウォール広告」とは?表示例、設定方法、収益性を解説!

Google AdSenseでは、これまで主にコンテンツ広告やディスプレイ広告、インフィード広告などが中心でしたが、2024年から新たに「オファーウォール広告(Offerwall Ads)」という形式が一部の広告ユニットに追加され始めています。2025年5月現在ではまだベータ版として一部のパブリッシャー向けに提供されている状態です。

本記事では、Google AdSenseの中で導入されつつあるこの新形式の広告について、その仕組みや収益性、そして混同されやすいリワード広告との違いを解説します。

一般的なオファーウォール広告とは?

オファーウォール広告(Offerwall Ads)とは、アプリやWebサイト内に「特定のアクションを完了すれば報酬が得られる」広告案件を一覧表示する仕組みのことです。ユーザーは表示された複数の案件(オファー)の中から任意のものを選び、指定されたタスクを実行することで、アプリ内ポイントやゲーム内通貨、特典などを獲得できます。

Google AdSenseのオファーウォール広告とは

Google AdSenseのオファーウォール広告の表示例

Google AdSenseにおける「オファーウォール広告」とは、ユーザーが任意で参加できるタスク型広告を一覧形式で提供するもので、Googleが提供するインタラクティブ広告の一種です。通常の広告枠とは異なり、オファーウォールユニットでは「報酬を得られる案件」が複数並び、ユーザーはその中から自分の興味に合ったものを選択し、具体的なアクションを実行することで報酬を獲得します。

オファーウオール広告というと色々なタスクがありますが、実際に実装してみると現時点では全画面広告を5秒程度閲覧することで次に進めるという形の広告が多いようです。

一般的なオファーウォール広告には、アプリのインストール、サービスへの登録、アンケートへの回答などが含まれ、実行されたタスクに応じてサイト運営者に報酬が発生する形が多いことから、今後Googleアドセンスのオファーウォール広告でもいろいろなタスク形式が配信されてくることが予測されます。

従来のクリック型報酬とは異なり、成果型(CPA)に近い収益モデルが導入されており、サイトのジャンルなどによってはより収益率が高い広告が配信されることになるかと思います。

Google AdSenseのオファーウォール広告の作成方法

Google 先生でのオファーウォール広告の作成方法についてですが、まず大前提としてオファーウォール広告は全てのサイト運営者に公開されているわけではなく、現時点ではベータ版として一部の人にのみ提供されている広告形態です。対象者には以下のようなメールが送られてきていました。(私の場合ですが)

Google アドセンスの画面に入り、左側のメニューの「プライバシーとメッセージ」のところをクリックすると、オファーウォール広告を利用できる人であれば収益化の欄に「Offerwall(サイト訪問者がコンテンツにアクセスできるようにするオプションの提示することで、サイトの新たな収益源を見つけられます)」という項目が表示されています。ここで作成をクリックすると、Google アドセンスに登録している各サイトでオファーウォール広告を使用するか設定することができます。

Google AdSenseのオファーウォール広告の実際の設定画面

こちらがGoogle アドセンスのオファーウォール広告の実際の設定画面です。

近年メディアサイトなどを見ているとよく見かけるような「短い広告を見る」という画面の設定ができるようになっています。各パーツの文字や色などを設定できるようになっており、自分のサイトの雰囲気を崩さずに、自然な形で広告を見てもらえるように設定できるようになっています。

一度広告を見た後にどれぐらいの期間このオファーウォール広告を表示しないようにするかという設定もできるようになっています。また、最初のアクセスではこの広告を表示せず、数ページ見た後にこの広告を表示するという設定もできるようになっていました。サイトのコンテンツの内容やどれぐらいページを遷移してもらうかなどを考慮して細かく決められるのは便利ですね。

リワード広告との違いとは?

オファーウォール広告とリワード広告は、どちらも「ユーザーが何らかのアクションを行うことで報酬を得る」点では共通しています。しかし、Google AdSenseにおける対応状況や収益構造には明確な違いがあります。

比較項目オファーウォール広告(Google AdSense)リワード広告(Google AdSenseでは未対応)
ユーザーのアクションタスクの選択と実行(例:登録・購入)動画の視聴などの受動的な行動
表示形式複数のオファーを一覧で表示(選択制)単一の広告を表示(強制表示が多い)
報酬対象完了したアクションに応じた報酬(成果型)動画視聴後に固定の報酬(報酬型)
AdSenseでの対応状況一部の広告ユニットで対応開始AdSenseでは非対応。AdMobで提供あり
主な導入メディアコンテンツサイト、ブログゲームアプリ(主にAdMob経由)

Google AdSenseでは、リワード広告は現時点で提供されておらず、動画を視聴することで報酬を得るタイプの広告は、Googleのモバイル広告プラットフォームである「AdMob」でのみサポートされています。

一方、オファーウォール広告は、AdSenseの中で選ばれたパブリッシャーに対して段階的に提供されており、Googleが認めるポリシーに準拠したかたちで導入可能となっています。

オファーウォール広告の収益性は高いのか?

Google AdSenseにおけるオファーウォール広告の最大の特徴は、クリックではなく「成果」に対して報酬が発生する点にあります。これにより、単価が高くなる傾向があり、従来のクリック報酬型広告と比較しても高収益を見込める場合があります。

たとえば、クリック型広告では1クリックあたり数円〜数十円の報酬が一般的ですが、オファーウォール広告では1件のアクション完了ごとに数百円以上の報酬が得られることもあります。ただし、報酬の高さに比例して、ユーザーのハードルも上がるため、成果率は媒体の性質によって左右されます。

また、広告の種類によって報酬額にばらつきがあるため、サイトに訪れるユーザー層と広告内容とのマッチングが重要です。実際にオファーウォール広告を導入したサイトでは、「クリック率は低いが収益は高い」という傾向が見られることが多く、エンゲージメントの高いユーザーを抱えるサイトにとっては効果的な収益源となり得ます。

導入時の注意点と推奨環境

Google AdSenseのオファーウォール広告は、すべてのサイトで利用できるわけではなく、Googleが選定したパブリッシャーに対して個別に提供されています。また、ポリシーの観点から、インセンティブを強調しすぎる表現や、広告クリックを強制するような誘導は厳しく制限されています。

そのため、オファーウォール広告を導入する際には、Googleのポリシーに準拠する形で、自然なユーザー導線の中に設置することが求められます。たとえば、ユーザーがログイン後にアクセスできる会員向けのエリアや、特定のコンテンツ閲覧後に表示される形式などが適しています。

オファーウォール広告は、すでに一定のユーザートラフィックを持ち、滞在時間の長いコンテンツサイトや、エンゲージメントの高いメディアにとって相性が良く、高収益化を図る新たな選択肢となる可能性があります。

まとめ

Google AdSenseの中で登場し始めた「オファーウォール広告」は、ユーザー参加型の新しい広告フォーマットとして注目されています。リワード広告と混同されることもありますが、Google AdSenseではリワード広告はサポートされておらず、明確に異なる仕組みであることに注意が必要です。

収益化とサイトのブランディングのバランスも重要です。かつて Google アドセンスでは広告には「広告」と表示していないと規約違反になるなど、厳しいルールを設けていましたが、現在は他社も含めて広告の表示に関してだいぶルーズになってきました。自動広告などと併用することもでき、広告の表示を増やすと、その分ページあたりのインプレッション収益も向上する傾向にはありますが、広告が増えすぎるとユーザーがページを見るのをやめてしまう可能性も出てくるので本当にバランスが難しいところです。

オファーウォール広告は、ユーザーが自ら案件を選び行動することで収益が発生する成果型広告であり、導入にはGoogleのガイドラインを順守することが求められます。適切な環境で運用すれば、従来の広告よりも高い収益性を期待できるため、今後のAdSense運用において検討すべき価値のある選択肢といえるでしょう。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ